大好きだって言ったら、笑顔が返ってくる。

それが、何より幸せ。




























スマイルライフ。




























明日は期末テスト最終日。

案の定…というか、授業中は睡眠時間となっている俺の前に立ちはだかる

大量の提出物。

つーか、授業用ノート?

無理言って教室で大好きな手塚にノートを見せてもらっています。

借りたら手塚が勉強できないしね。


「終わるか?」

「だいじょぶ!!」


集中すればチョロいチョロい♪

隣にいる手塚は別の教科の勉強してる。

俺だって写しながらちゃんと考えてるもんねー!!

数学嫌いだけど、手塚のノートってわかりやすいから

写させてもらうだけで全然違う。


「手塚んトコってスミレちゃん?」

「あぁ。」

「へー良いね。俺んトコの先生わかりにくいんだよねー。」


そんな事を言いながらもノートは着々と埋まっていく。

後ちょっと。

ちらりと手塚が俺のノートをのぞく気配がして、

手塚は教科書を閉じた。


「よっしゃ!!終わりー!!」

「早く片づけろ。帰るぞ。」

「らじゃー!!」


手塚が部屋の戸締まりをしている内に、俺は片づけをしていく。

ふと思いついて、手塚に見つからないように数学のノートにちょこっと文字を書いた。


「英二?」


二人っきりの時しか呼ばれない俺の名前。

戸締まりが終わった手塚が怪訝な顔をして俺を見ていた。

ぱたんとノートを閉じて手塚に返すと、俺はにっこりと笑う。


「帰ろ!!」


手をグイッと持って教室を出た。

無理矢理離したりしないのを知っているから、たまには手を繋いだりしたい。

ぐいぐい引っ張ってたら手を繋いでるようには見えないもんね。

校舎を出て人通りの少ない道を選んで帰る。

手、離したくない。


「ね、手塚。」

「何だ?」


手塚が愛想がないのはいつも通り。

でもさ。


大好きだよー!!」


俺が笑顔で言うと、

手塚も柔らかい笑顔を返してくれるのを知ってる。


「あぁ。俺もだ、英二。」


きっと、誰も見た事がないような柔らかい笑顔。

それだけで嬉しくなっていく自分も嫌いじゃなくて。

思わずスキップしたくなってくる。

繋いだ手も離さないでくれるから。


「えへへー!!」


もうすぐ分かれ道。

でも、明日も絶対会える。

だから、幸せは続く。


「また明日ね!!」

「あぁ。また明日。」


そう言うと、手塚は人が居ないのを確認して

ゆっくり俺の額にキスをした。

あぁもう、幸せ!!!

手を振ってそれぞれの道へ帰っていく。

でも、すごく幸せ。

明日のテストだって頑張っちゃうもんねー!!

手塚、アレにはいつ気付いてくれるかなー?

きひひと笑いながら、俺は家への道をスキップしながら帰った。




























「手塚。テストはいつも通りだな…しかし、その落書きは消しておいた方が良いよ。」


テストが返ってくると同時に返ってきた提出物。

苦笑しているテニス部顧問兼数学教師の竜崎はそんな事を言いながら

手塚にテストとノートを返した。

落書きなどした覚えはない。

とすれば、テスト前日の英二に見せていたのが原因だろう。

いぶかしみながらノートを開くと、


『手塚大好き!!』


と、愛しい恋人の文字でノートの端に小さく書いてあった。

固まってその小さな落書きを凝視する。

気付けば ふ、と笑みがこぼれていた。

とたんにざわつく3−1の教室。

驚いて固まっている男子や、黄色い声を上げる女子。

それほどまでに手塚が人前で笑うなんて前代未聞なのだ。

竜崎は内容を知っているだけに優しい笑みを向けるだけだった。






その後、手塚の笑みは学校中の噂になり、

首謀者は色々な噂を聞きながら一人嬉しそうに微笑んでいたとか。




















end.