それはまるでドラマのような、

死の宣告。




























カウントダウン。




























「今、何て…?」


英二は自分の耳を疑った。疑いたかった。

今、自分の母親は何と言った?


「落ち着いて聞いて、英二。

 あなたの命は、もって後、1年なの。」


ドラマではよく見かける光景。

でも、現実に起こるにはあまりにも辛い光景。

俺が、後1年しか生きられない…?

母親の目には涙が溢れてぽろぽろと零れていた。


「しばらくは自宅静養で良いそうだから

 体育さえしなければ学校はギリギリまで大丈夫。

 …でも、テニスはもう出来ないの。」


中学を卒業して2年。

英二は高校に入ってもテニスを続けていた。

プロになるために留学した手塚と越前、本格的に修行に入った河村を除いて、

あのときと同じような面々でキツいけど楽しく部活をしていた。

その練習中、突然のめまいに襲われて、倒れた。

そして運ばれた病院がここ。

ただの貧血だと思ったのに、違ったらしい。

病名はよく聞き取れなかったけれど、

未だ治療法が発見されていない難病だというのは、はっきりと聞き取れた。


「冗談、だろ?」


英二の声は震えていた。

頭では理解している。母親の泣く姿など、冗談で見せるようなモノじゃない。

でも、理解出来てなかった。

体が震えだしたのがわかった。

死ぬ…?俺、が……?


「英二…!!!!」


本格的に泣き出した母親を呆然と見下ろして、

英二は整理の付いていない頭をフル回転させて

側にいない、大事な人を想った。





手塚…。





帰ってくるまで会わないと約束した恋人。

彼が帰ってくるまで、まだ少なくとも2年はあった。









英二の命が消えるまで、後、12カ月。









続く→