05:閉ざされたココロ。




























不敵に笑う、その笑みに。

自己防衛本能が作動する。


チカチカチカ。


真っ赤なランプが点灯している。

結果など見えた上での、言葉。


「落ちてるよ。」


ランプの色よりもくすんだ、黒い、跳ねた赤茶の髪。

試合中にはその魅力を余すことなく発揮する、髪。

目を奪われたのは、いつだったか。


「知ってるんだかんな。」


真っ直ぐな、瞳。

コロコロと、疲れないのかと思うほどに変わる、表情。

瞳だけで、何を思っているのかを伝えることが出来る。

意識を奪われたのは、いつだったか。


「手塚。」


伸ばされた手を、抵抗せずに受け入れる。


「菊丸。」


いつも。

名を呼べば、嬉しそうに笑った。

今もやはり、目を細めて笑う。


その笑みに、

その存在に、




「手塚、俺のこと好きだろ?」




伸ばされた手を掴んで引き寄せて、抱きしめる。




深追いはしない。と、閉ざしていたココロごと、

奪われたのは、いつだったか。









終。