02:晴れた日、窓。




























いっそ壊れる!!と怒られるくらいに開け放ちたい。

雲ひとつない空。

青い空。

窓枠で切り取ってしまうのは、勿体ない。


「英二?」


呼ばれた声に視線を戻して、ゴメン、と笑顔を向ける。

いつも優しい俺のパートナーは、余所見をしていた俺に対してもやっぱり笑顔。


「飽きたかい?」

「そーゆー訳じゃないよ、ゴメンゴメン。」


手に持ったまま動かしていなかったシャーペンを握り直して、

空欄の横にある数式に目を戻した。

視線は目の前の参考書に移したまま、小さく吐かれた息で大石の苦笑を悟る。

顔を上げて大石を見れば、やっぱり、苦笑。


「手塚?」


お見事、ドンピシャ。

流石黄金コンビ。


「多分、もう少しだ。」

「ん、知ってる。」


短い短い、手紙が届いた。

一言。


『もうすぐだ。』


それだけ。


「だいじょーぶ。

 うちの最強部長はそんなヤワじゃないって事くらい、わかってるよ。」

「そうか。」

「おうよ。」

「なら、良いけどな。じゃあ、続き。」


教えてくれる姿勢の大石に、ちらりと窓の外の青を見た後、

ちっちゃい子みたいに手を挙げて、「はーい!」と返事をした。





もし帰ってきたら、開け放って。

晴れる保証なんてないけど、きっとそんな日は晴れるに違いないから。

きっと、彼は天気さえも味方に付けるに違いないから。

暑くて仕方ない空気と、それでも何処か心地良い風と、

精一杯の、


「お帰りっ!!!」


一言を。









終。