恐る恐る菊丸に手をのばすと、

菊丸が腕の中の欠片を差し出した。




























一段飛ばし。




























「んぅ…っっ!!!」


逃れようと必死に動かす手を押さえつけて、深く深く口付ける。

飲み込めきれなかった唾液が、菊丸の顎をつたって床に落ちた。


「ふ、ぅっ…っぅ…」


苦しそうにする菊丸の呼吸の音だけが部室に響く。

どうにか抜け出そうと菊丸未だ抵抗を続ける菊丸の腕から、どんどん力が抜けていっているのはわかった。


「はな、し…、聞ぃ、けっ…」

「聞かない。」


口付けの合間に放たれた言葉にそう返事を返して、もう一度深く口付けながら菊丸の腰を撫でる。

ビクリ、と反応をして菊丸の腕から更に力が抜け、俺の手から逃れるために動かしていた身体の力すら奪っていった。

腕の力が殆ど抜けたのを確認して、腕を拘束していた手で学ランのボタンを外す。

薄いシャツ越しに菊丸の身体を撫でた。以前の行為で知った、菊丸の弱い場所を的確に。

俺の身体を離そうと押す菊丸の腕には、当然のように全くという程力が入っていない。

身体に触れる手はそのままに、唇を首筋に移してきつくきつく、吸った。


「てづ…っぁ…!!」


唇を放した瞬間、言葉を紡ごうと開いた菊丸の唇からは、喘ぎ声。

首筋にひとつ、真っ赤な痕。

以前の行為では躊躇していた事すら容易く出来るほど、働きを放棄している脳。

.
「っ、んんっ…」


喘ぎが出ないよう唇をかみしめたまま、菊丸は俺の肩を掴むと弱々しくも必死で引っ張る。

それを無視して、俺は菊丸のシャツのボタンを外しながら唇を少しずつ下へずらした。

首筋、肩、鎖骨と、赤い痕を残しながら。

赤い痕をひとつ増やす度に、ドクリドクリと菊丸の心臓が音を早め、皮膚越しに俺の唇に伝う。

下へずらしていた唇をまた上に上げ、菊丸の唇に再度噛みつくように深く深く口付けた。

もう殆どなくなった抵抗に口の端を上げながら、ゆっくりと手を下へ下ろして菊丸のベルトを外す。

カチャリと部室に響く金属音に、びくりと菊丸の肩が震えた。

制服のズボンのボタンを外し、隙間から手を入れて菊丸の身体に触れる。


「んっ…ッぅあ…て、づっ…」


快楽を表すように菊丸の眉間に刻まれた皺と、唇をかみしめながらも時折溢れる喘ぎと、


「はっなし…聞っ…」


嫌だと言う代わりのように何度も紡がれる、話を聞くよう促す言葉。

それにイライラと不快を感じて顔を上げ、黙らせるように指を菊丸の口に入れた。

指で口内をかき回しても、噛まないよう必死で力を入れているのがわかる。

飲み込めない唾液が、菊丸の顎を伝って今度は菊丸の胸に落ちた。

指を口から抜き、その指で頬や耳に触れながら唾液の落ちた胸に舌を這わせる。


「ひぁっっ!!」


はっきりとあげられた喘ぎ声に、俺は顔を上げ、今度こそハッキリと笑んだ。

少し肩で息をしながら、潤んだまま見開いた目で菊丸は俺を見る。


「感じたのか?…菊丸。」


それは、自分でもハッキリとわかる程に冷たい笑み。

菊丸の顔から、サッと血の気が引いたのがわかった。

それに満足したように、俺はまた笑う。

口の端を上げたまま、涙が零れそうになっている菊丸の目の端に舌で触れ、

口を耳元に近付けた。


「何故お前の話を聞く必要がある…?

 興味を満たすことが出来るなら、誰でも良いんだろう?」





諦められたはずだった。

もう、友人として付き合って行けると思っていた。

それなのに、こんな事で崩れてしまう程、

無理矢理にでもその熱を求めてしまう程…


俺は未だ、こいつに狂っている。





驚きに見開かれていた菊丸の瞳が少しの間をおいて、今度こそ泣きそうに細まって眉間にしわが寄る。

口元もらしくなく歪んだ形をとった。


「…っがう…っ!」


涙が零れないように頬に力を入れながら、力のあまり入らない腕で俺の肩をバシバシと殴る。

それに眉間の皺を深くしながら、菊丸の腕を掴んでロッカーに押しつけた。

涙に潤んだ瞳で俺を見上げながら、菊丸は叫ぶように声を上げる。

そんな様子を俺は冷めた目で見つめた。


「ち、がうっ!!!…俺、はっ!」


ロッカーに押しつけた腕をも構わないように、菊丸は必死に俺を見上げている。


「お前じゃなきゃ、ダメなんだよ!!!!!」


冷めたように細めていた目を、見開いた。









続く→





国光だって男の子なんです。中学生なんです。
プッツリくることだってあるよね★
…………………ねぇよ!!!
ごめんなさいごめんなさい…!!!